インバウンド・オーバーツーリズム分析

インバウンド・オーバーツーリズム分析


BI作成の目的

  • 意思決定対象: インバウンド観光政策の地域分散化、オーバーツーリズム対策の優先度決定
  • 想定利用者: 観光庁、都道府県観光部門、DMO、地域マーケティング協議会
  • KPIの最適化目的: 外国人宿泊の地域分散度を高めながら、受入キャパシティの限界を超えない持続可能な成長を実現する

インバウンド集中度マップ

外国人宿泊者数 Top 15

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外国人比率 Top 15(宿泊者数順)

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集中構造: 外国人宿泊者数は東京・大阪・京都・北海道・福岡の上位5都道府県に極度に集中している。この集中は「ゴールデンルート」(東京→富士山→京都→大阪)に起因するもので、2010年代から構造的に固定化されている。オーバーツーリズムの観点では、外国人比率20%以上の地域は受入インフラへの負荷が限界に近い可能性がある。


オーバーツーリズム・リスク評価

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オーバーツーリズム(OT)リスク判定基準

  • HIGH(外国人比率25%以上): 住民生活・公共交通・文化財への影響が顕在化しうる水準。入域制限・時間帯分散・代替ルート開発が急務。
  • MEDIUM(15-25%): インフラ負荷が増大中。多言語対応・混雑情報発信・予約制導入を検討すべき段階。
  • LOW(5-15%): インバウンド成長の余地あり。受入環境整備を先行投資すべき。
  • MINIMAL(5%未満): インバウンド誘客の黎明期。認知度向上が最優先。

外国人の施設タイプ選好

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施設選好: 外国人はビジネスホテル・シティホテルを中心に利用。これはOTA(Booking.com、Expedia等)での検索性・価格競争力が要因と推察される。旅館の外国人利用は依然として低水準であり、「言語の壁」「予約システムの複雑さ」「食事スタイルの不慣れ」が障壁となっている可能性が高い。


月次インバウンド動向

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地域分散の余地:低外国人比率都道府県

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政策提言: インバウンド地域分散化

  1. 第一優先: 国内宿泊者数が多い(=受入キャパがある)のに外国人比率が低い都道府県への誘客強化
  2. 具体施策:
    • ゴールデンルートの「延長ルート」提案(例: 大阪→広島→九州)
    • LCC路線の地方空港拡充と連動したプロモーション
    • 地方の「隠れた観光資源」のSNSマーケティング(特に欧米豪向け)
  3. KPI: 低外国人比率都道府県の外国人比率を3年で2倍に引き上げる

現状の課題

構造的課題

  • ゴールデンルート固定化: 東京-京都-大阪ルートへの集中が10年以上解消されていない
  • 言語・決済インフラ格差: 地方部の多言語対応・キャッシュレス対応が遅延
  • 交通アクセス: 地方空港の国際線が限定的、二次交通(空港→観光地)の不便さ

表面的課題

  • 国籍別の宿泊データが不足(どの国からの旅行者が増えているか不明)
  • 宿泊単価データがなく、インバウンドの経済効果を正確に測定できない

次に見るべきデータ

  1. 国籍別宿泊者データ: JNTO統計との突合。中国・韓国・台湾・欧米で行動パターンが異なる
  2. 民泊データ: Airbnb等の利用状況。公式統計に含まれない宿泊需要の把握
  3. 交通データ: 航空旅客数・新幹線乗降客数との相関分析
  4. 住民満足度調査: オーバーツーリズムの「体感」を定量化するアンケートデータ
  5. 観光消費額: 宿泊者数×客単価で経済インパクトを評価